土はいらない!?水耕栽培について理解し、カンタンな水耕栽培をやってみよう!
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はじめに…
簡単!清潔!おしゃれ!といわれる水耕栽培ですが、実際はどうなのでしょうか?
水耕栽培を始める方には節約のため、教育のため、インテリアとして、小さなスペースで清潔に栽培したいなど様々なきっかけがあると思います。
水耕栽培は土栽培よりも生長が早く、初心者の方でも簡単に始められ、室内でもできるなどメリットがたくさんあります。
この記事では水耕栽培とは何?どうしたらいいの?という疑問から水耕栽培入門編として自宅でカンタンに栽培できる一例等を取り上げています。
水耕栽培とは
水耕栽培(養液栽培)とは、水に肥料を溶かした液肥水(養液)を使い植物を栽培する方法のことをいいます。
土栽培の場合、石や土自体が阻害要因となって根が伸びにくく植物の生長が抑制されてしまいます。
一方で水耕栽培の場合は、根が生える部分は水なのでほとんど抵抗なく伸び、植物全体がより早く、大きくなるのです。生長スピードは土栽培の1.5~3倍ほどになり、目に見えて日々の違いが見えてきます。
また、水耕栽培キットを使うと日々の管理がしやすくなり、より簡単に植物を育てられるようになります。
最近ではウレタンスポンジの他にもハイドロボールやロックウールを使った、おしゃれな方法が流行っていたり、身近なもので自作水耕栽培キットを作り水耕栽培をしたりと様々な栽培方法が見られるようになってきました。
容器もプラスチック容器、瓶、ペットボトルなどを使い、目的や用途、インテリアによって自分好みにアレンジすることができます。また、養液中に空気を混ぜたり、水を循環させることにより植物が育ちやすい環境をとなり、収穫量が増え、よりおいしい野菜が収穫できたりと工夫の幅もあります。
メリット
● 初心者が取り組みやすい
● 土が不要
● 生育スピードが早い(土栽培の約1.5~3倍)
● 連続で栽培できる
● 片づけの手間がかからない
デメリット
● ポンプやLEDを使う場合、電気代がかかる(月100円程度)
水耕栽培で育てられる植物
理論上ではどんな植物でも育てられます。実際にはレタスのように葉物野菜、トマトのような実のなる野菜などは問題なく育ちます。しかし、大根やジャガイモなどの根菜類に関しては水だけを使った水耕栽培では難しいです。育てる場合はハイドロボールなどを使うことをおすすめします。またリンゴやぶどうなど木になる植物は育てられますが、根が大きくなるためその分大きな装置が必要になります。また、実がなるまで何年もかかりますので、気軽に育てたい方にはおすすめしません。
水耕栽培に必要なもの
水 植物を育てるのに必須です
水は水道水をそのまま使用できます。一晩置き塩素を飛ばした水だとよりよいです。むしろ井戸水や地下水は地域により水の成分に偏りがあるので、使うことをおすすめしません。
培地 土の代わりに植物のカラダを支える土台となります
ウレタンスポンジ、ハイドロボールなどが一般的です。基本的には安価なスポンジを使用していただければよいです。培地を再利用したい、根菜類を育てたいという方はハイドロボールをおすすめします。
植物
初心者はレタスやベビーリーフなどの葉物野菜がおすすめです。また、実のなるお野菜でしたらミニトマトやキュウリなどは初心者の方でも簡単に始められます。
肥料
植物を育てる上ではなくてはならないものです。必ず水耕栽培で使用できるものを使いましょう。水は土に比べると栄養素がほとんどありません。そのため水耕栽培で使用できる肥料は植物の生長に必要な栄養素をすべて含んでいます。そうして水耕栽培用の肥料を使うと植物は土がなくても元気に育つようになるのです。詳しくはパッケージやボトルの裏に記載されている使い方を参照してください。また、液体タイプの場合でしたら水に均一に溶けやすいといった特徴があります。
栽培場所の選び方
薄暗い台所や暑かったり、寒かったり温度変化のある場所では残念ながら植物は元気に育ってくれません。以下の項目を参考にご自宅でベストな場所を探してみましょう。
気温20℃前後の環境
植物によって適温は変わってきますが、気温が10℃以下になったり、30℃以上になると萎れてしまったり、生長が止まったりしやすくなります。
光の目安
直射日光、または補光用LEDが葉物野菜の場合1日4時間以上、実のなる植物を育てる場合は直射日光が6時間以上当たる場所が好ましいです。
水平な場所
水位に差があると同じ容器でも生長差がでてしまいます。室内、室外問わずなるべく平らな場所で栽培しましょう。
この条件は作物によっては当てはまらないものもあるので、タネのパッケージや育て方の記事をよく読んで環境を整えてあげてください。
実際にやってみよう!
身近なものでカンタンな水耕栽培の一例をお伝えします。レタスやベビーリーフを育てる場合は1ヶ月~1ヶ月半ほどで収穫できます。まずは「習うより慣れよ!」。気軽な気持ちでスタートしてみることが大切です。自分で育てた野菜が食卓に並ぶことを夢見て一度チャレンジしてみましょう。
1. まず手を洗いをして準備しよう!
意外と大事なことで、特に土などを触った手で作業してしまうと土から菌を持ち込んでしまい、植物が病気になる可能性が高くなります。
元気で清潔な植物を育てるには必須なんです!
【準備物】
タッパー
培地のスポンジを寝かせた高さより深さのあるものを選びましょう。
容器が大きいほど補水の手間が減りますが、置き場所のスペースが狭い場合は場所に合った大きさのものを準備してください。
スポンジ
培地用です。水耕栽培用のスポンジがベストですが、新品の食器洗い用のスポンジでも代用できます。その時はネットに包まれている場合はネットを取り除き、片面が固い素材でできている場合はその部分を切り落としましょう。またメラミンスポンジは根が入りにくいのでおすすめしません。
タネ
初心者の方には、一番カンタンなレタスやベビーリーフがおすすめです。葉物野菜を選びましょう。
肥料
ハイポニカ液体肥料をおすすめしたいところですが、お試しなので他の肥料でものかまいません。パッケージをよく読んで必ず水耕栽培で使えるものを選んでください。
・バケツもしくは洗面器など水を貯められるもの
・目盛り付きカップや容器
水で薄めて使うタイプの肥料を使う場合は必要になります。
・つまようじ
タネをスポンジにのせる時にあると便利です。
2. タネまき
まずスポンジに水分をたっぷり含ませます。バケツなどの容器に水を貯め、スポンジを水中で気泡が出なくなるまで揉みます。そうして、ひたひたのスポンジをなるべく水が抜けないようにそっとタッパーに置きます。
タッパーにスポンジの1/3ほどの高さになるように水を入れましょう。
次に種をまきます。後に元気な芽だけを残すように間引きを行いますので、多めにまきます。レタスかベビーリーフの場合、一般的なスポンジのサイズでしたら20~30粒ほどまきましょう。スポンジ全体に大まかにまいてもいいですし、丁寧に2、3粒ずつ間隔をあけてまくと後々間引きがしやすくなります。
丁寧にタネをまく場合は先を濡らしたつまようじにタネをくっつけるとタネまきしやすいです。
タッパーに蓋かラップをし、タネの周りが乾燥しないようにしましょう。
この時はまだ直射日光に当てず、目の届く20℃ほどに気温が安定している場所に水平に置きましょう。
3. 発芽後
1~2日経つと白い根っこがでてきます。全体の2割程度がこの状態になったら蓋やラップを外し、上記の環境の良い場所に置いてあげましょう。
この時から液肥水(養液)を与えます。水位が減った分与えてください。薄めて使うタイプの肥料を使う場合は説明書をよく読んで液肥水を作ってください。
(例)ハイポニカ液体肥料の場合、500倍希釈なので1Lの水にA液を2ml、B液を2ml入れて軽く混ぜて液肥水を作ってください。
※余った液肥水は日の当たらない場所で保管し、なるべく早く使いきってください。
4. 間引き
双葉が出てきたタイミングで間引きをします。間引きする基準はひょろひょろしている、根元が他と比べて細い、生長が遅い、といった特徴の芽をなるべく根っこから引き抜きましょう。全体の密度が同じになるように10~15株ぐらいになるまで間引きします。
その後は1ヶ月ほどで収穫の最盛期がやってきます。1ヶ月待たなくても必要になったときに収穫してもかまいません。液肥水を切らさないように注意しながら、日々の生長を見守っていきましょう。
日々の管理チェックリスト
● 水位が下がった分液肥水を足す
● しおれる、腐るなどの異常がないか観察
→症状がみられる場合は室温、日当たりが上記の記事に当てはまるかチェックしてみてください
水耕栽培についてQ&A
Q.液肥水が緑色になってきましたが、大丈夫でしょうか。
A.藻が生えている状態です。藻が生えると藻の中で菌が繁殖してしまいます。また肥料成分が変わり、植物が必要な栄養素を吸えなくなる場合もあります。対策としてはタッパーをアルミホイルで包んで液肥水に光が当たらないようにしましょう。
Q.片づける際はどうしたらいいでしょうか。
A.液肥水は流しに流してもかまいませんが多めの水で洗い流してください。もしくは、土で栽培している植物に与えても効果があります。水耕栽培の容器は、水洗いのみでもよいですし、汚れが落ちない場合はキッチンやお風呂掃除などに使う洗剤を使って洗い流していただいても大丈夫です。水耕栽培キットの場合は説明書をよく読んで片づけてください。
育ててみるともっとおいしく育てたい、好きな植物を育てたい、おしゃれにしたい、たくさん実らせたいなどいろいろな展望が見えてくるかもしれません。この記事を読んで水耕栽培をより身近に感じていただければ幸いです。ぜひ、様々な工夫をして自分に合った栽培方法を見つけてください。